日本旅館協会発足(3) リ・スタートに熱く燃える―佐藤会長
10月1日に発足した日本旅館協会。観光立国を推進するなかで、会員数3千数百を数える新たな宿泊団体への期待は大きい。初代会長に就いた佐藤義正会長(岩手県つなぎ温泉・南部湯守の宿大観)に、日本旅館協会の活動方針などについて聞いた。
期待の大きさに責任
―新団体がスタートしました。今の気持ちを聞かせてください。
佐藤 国際観光旅館連盟が64年、日本観光旅館連盟が62年という、長い歴史を持った2つの団体が解散して、新たに日本旅館協会を立ち上げた意義は大きいと思っています。新しい組織としてリスタートすることに、今は会員一同が燃えています。スピードを付けて改革に臨み、事業を展開していきたいと決意しているところです。
10月18日に初めての総会を行いましたが、総会後の新団体設立記念パーティーには観光関連団体の関係者のみならず、政財界からも多くの方にお出でいただきました。新団体への期待の大きさだと受け止めています。執行部の1人として責任の重さを感じています。
―会員にとって、また観光業界にとって新団体の設立はどのような意義があるのでしょうか。
佐藤 これまで日観連は国内旅行の振興、国観連はインバウンドの振興と棲み分けのようなところがありました。しかし、本来は国内旅行の振興と訪日旅行の振興は一体として総合的に行うべきものです。国内観光を盛んにし、国内の観光地を魅力あるものにしなければ、海外からのお客さまを十分に満足させることはできません。国内旅行で減ったお客さまをインバウンドで補うという発想ではなく、国内旅行の振興がインバウンドの振興につながるんだということをはっきり認識したうえで、新団体として事業に取り組んでいきたい。そうした意味でも、2つの団体が1つにまとまった意義は大きいと思います。
また、組織としては会員数が増えたこともメリットです。新団体は3384会員でスタートしました。組織としてのパワーが、より一層発揮できると思いますし、観光振興を標ぼうしてきた2つの宿泊団体が1つになったことは、国が観光立国を推進するうえでもプラスだと思っています。
→日本旅館協会発足(4) 会員増を力に国と連携―佐藤会長に続く