日本旅館協会発足(5) 支部重視の体制づくり―佐藤会長
―旅館業が観光立国をけん引するプレーヤーであるためには何が必要でしょう。
地域と密に連携、新しい商品づくりを
佐藤 今年改定された観光立国推進基本計画では、旅行者の満足度や観光地に対する満足度の向上が、新たに主要な目的として設定されました。まさにこうした分野では宿泊業界の役割が大きなウエートを占めています。
満足度を高めるには個々の施設の改善やサービスの向上は当たり前ですが、それだけでは足りません。そこにサプライズがなければいけません。今は全国どこに行っても同じような観光プランが並んでいます。これでは魅力があるとは言えません。その土地に来たら、その土地ならではの素晴らしいものがあった、驚きがあったというものを各地域で作っていく必要があります。それぞれがオンリーワンを作り、旅行者に提供することです。それによって新しい国内旅行の需要を生み出すことができます。
―それが新団体に都道府県支部を設けた理由でしょうか。
佐藤 各支部が都道府県や市町村といった行政としっかり連携する。行政に加え、地域の観光協会と一体となって新しい商品づくりをしていってもらいたい。そうしたエリア単位の動きができて初めて、我々観光産業だけでなく1次産業などにも新しい旅行商品づくりに参画してもらう土壌ができるものと期待をしています。宿泊業界だけで、あるいは従来の観光業界だけでは新しい商品はできません。
→日本旅館協会発足(6) 会員の財務改善に努力―佐藤会長に続く