日本旅館協会発足(4) 会員増を力に国と連携―佐藤会長
―観光庁との連携といった観点ではどうでしょう。
旅館業の課題を訴え
佐藤 観光庁は2008年にできた新しい行政組織です。一方、私どもには宿泊業の長い歴史と経験があります。こうした経験から観光立国の推進に資するような提言をしていくことでお手伝いをしたいと思っています。
しかし現状は、私どもは国内旅行の不振のなかで厳しい経営環境にあります。観光庁には、日本の伝統文化の集積体でもある旅館を絶やさずに、後世に継承していくという大所高所に立った観点からの支援をいただくことに期待しています。まずは、会員の声を聞きながら、新団体として私ども旅館業の当面の課題を観光庁に訴えていきたいと考えています。
―観光庁にどのような支援を求めますか。
佐藤 なんといっても国内旅行の新しい需要の創造です。なかでも着地型旅行、地旅(じたび)の考え方を取り入れた旅行商品の造成と発信をより一層進めていかなければなりませんが、このことを通じて地域の一層の魅力付けのために支援していただきたい。大手の旅行会社にも地域のそうした着地商品を細かく汲み上げて旅行商品に載せていただきたいし、こうした点でも観光庁に積極的に関与してもらいたいですね。
→日本旅館協会発足(5) 支部重視の体制づくり―佐藤会長に続く