働き方改革-「時間」が必要な料理人
桜開花の季節が近づいてまいりました。各所、桜に合わせた季節イベントを企画していることと思います。日本を代表する花である桜は、海外でも人気があり植樹を続けている国もあるようですが、それでも季節に合わせて日本を訪れ花見を楽しむ海外の方はたくさんいらっしゃいます。
私の旅館では、植樹させていただいた河津桜が可愛らしいピンクの花をのぞかせてくれております。少し桜が咲くだけで普段草花を気にとめない人たちでさえ、ふと桜に目をやります。日本の桜は、これほどまでに存在感がある花なのだなと感じております。
オリンピックが近づき海外のお客様がこれだけ増えると、旅館ホテルも海外のお客様をなおざりにするわけにはいきません。しきたりや常識が違う分、日本のお客様を出迎えるのとはまた違ったおもてなしが必要になる場合もあります。
私の旅館でも、特にお風呂の入り方などでお困りになる海外の方が多く、説明書きやPOPなどを加えました。お客様はそれぞれですが、やはりその人に合わせたサービスができることこそが本当のおもてなしだと感じます。
さて、桜ばかりに頼らず、料理でのおもてなしをと思うのですが、春は旬の食材として少し印象が低くプランを打ち出してもなかなか思うように伸びません。鰆や桜鯛などもありますが、やはり冬の河豚や蟹のようにはパンチが足りません。これをいかに魅力的に見せることができるかは、料理長の腕の見せどころだと思います…
(大田忠道=料理人集団「天地の会」代表)
(トラベルニュースat 2019年3月10日号)
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