お客様第一 社員の思い聞く時間を
春節祭の時期は日本の観光地も中国の方々でいっぱいになりますが、今年は少し様子が違いました。新型ウイルスの拡大により大きな打撃を受けている旅館ホテルも多いのではないでしょうか。
予防は必要です。私の旅館でも除菌スプレーやマスクの設置を増やし、お客様にも気軽に使っていただけるようにしました。地域によっては本当に社会問題であり規制せざるを得ない状況であることも致し方ないのですが、ヒートアップしていくニュースを見ると過剰報道によってマイナスな空気が漂うのも心苦しいと感じてしまいます。
年末年始には、不正予約による被害を受けたホテルの記事なども出ておりました。「お客様第一」を貫く旅館ホテル業界としては本当に難しい問題だと感じます。
この「お客様第一」の考え方も、これまでの業界の考え方とでは差が出てきているのも事実です。お客様に合わせて何時まででもお食事を待つのが当たり前と考えていた旅館も、若い世代が多くなるにつれ「待っていられない」「残業時間が増える」と自分の労働への負担を一番に考える者が多くなりました。どちらが正解なのか正直私にもわかりませんが、さばさばと自分のことだけを考えている者を見ると寂しく感じてしまいます。
自分の仕事の中で何を大切にしているか、人生の中で仕事へのスタンスはどの位置を占めるのか、上司やお客様に認めてもらえるような人間になりたいと考えている者はどれだけいるのだろうと思います。私も日々の忙しさにかまけて時間をさけていないこともあるのですが仕事への熱い思いを弟子たちから聞く機会が少なくなりました…
(大田忠道=料理人集団「天地の会」代表)
(トラベルニュースat 2020年2月10日号)
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