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収束期にすべきこと 従業員一丸で「特別感」を演出

コロナ拡大もようやく少しずつ収束し、観光業界もGo Toトラベルキャンペーン再開に向け気持ちも上向いてまいりました。

ただ、現状は「まだもう少し様子を見よう」「第6波が心配」「せっかく今まで我慢したから、Go To再開まで待とう」というお客様も多く、コロナ拡大以前の秋の行楽の様子とは異なります。旅館ホテル側の人間としては、お客様が少しでも安心して足を運んでいただけるよう、管理徹底に努めなければなりません。そして、繁忙に備え今一度現場に目を向けて、施設管理・備品管理、従業員の確保をしなければなりません。

コロナが拡大し休館を余儀なくされたところは、おそらくまだ人手不足のままで現状を過ごしていることと思います。人手の足りない状態では、周りへの目も行き届きませんし、社員教育などはまったく手つかずではないでしょうか。

残念なことに、この長い閑散期で、自分の業務以外をしようとしない従業員、自分の技量のレベルアップを図ろうとしない従業員が増え、現場の士気が下がっていると嘆く支配人や社長の話をよく聞きます。暇な状態はすぐその空気に慣れてしまい、努力を怠りなまけてしまいがちです。今現場にいる従業員も40−50代の中間層がいないため、しっかり注意する者、現場を把握できている者がおらず動きが悪いと聞きます。

上昇意向を見せるのも上司の務めです。怠ける者を見て見ぬふりをせず努力する者はさらに引き上げ、従業員のスキルアップを図りましょう。

業績としても厳しいとは思いますが、人員確保は必須です。

長く旅行を控えていたお客様は、勝手がわかっていて安心して過ごしやすい「宿泊したことのある宿」に再び泊まろうとされる方が多いのではないでしょうか。一度宿泊し好印象だったところを思い出し選んでくれるお客様は大切です。私たち旅館ホテル側は、毎日同じ業務をこなしており忘れてしまいがちですが、お客様にとって旅行とは何の記念日でなくても「特別な日」なのです。

日常から離れ、一日を過ごしていただく場所として選んでいただけているのですから、お客様には特別だと感じていただけるものをお届けしなければいけません。

そして、1回目よりも2回目の方が、お客様の期待値は高まります。2回目こそが重要なのです…

(大田忠道=料理人集団「天地の会」代表)

(トラベルニュースat 2021年12月10日号)

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