続・人手不足 人材育てる努力必要
過ごしやすい気候になり人の動きも増えてまいりましたが、変わらず人手不足は続いているようです。
全国旅行支援が始まり多くの予約が集中している旅館ホテルも多いようですが、フロントも業務が追い付かず、県の事務局に問い合わせても電話がつながらない状態になり、大変な状況にあるようです。おそらく観光業界全体が同じような状態なのかもしれません。今後に向けて人員確保が大きな課題です。
オーナーや支配人は、少し悠長に考えてしまっていることが多いように聞きます。「雇ってしまえば、即日使える」「1回教えれば、だいたいの人間はできる」と考えてしまうようですが、そんなに簡単なものではありません。ロボットのように覚えこませたことをただこなすだけでは、本当の接客・おもてなしはできません。心のある会話ができてこそが「おもてなし」です。それができるようになるためには、教育する時間も十分に必要なのです。
従業員を増やすことをすぐ「人件費がかかる」と考えてしまいがちでしょうが、人を増やして教育する時間を作り、良い人材を増やすことが自分たちの旅館ホテルの財産になるのです。上の者が現場を理解し、必要となる人材を育てる努力をしましょう。
私の旅館でも、料理人の接客指導を積極的に行っております。全国の旅館ホテルで働く板前たちも客前料理が行えるように、こちらに研修に来ております。これまで厨房の中だけで仕事をしてきた料理人からすれば、お客様の目の前に出て料理説明をするというのは試練に感じるようですが、説明の仕方を覚え、食材や料理の知識を学び、お客様との実際の対話で柔軟な表情や話し方を学ぶことができ、大きく成長してくれています。頑張ってみたいと思われる旅館ホテルの方々がいらっしゃれば、ぜひご連絡いただけたらと思います…
(大田忠道=料理人集団「天地の会」代表)
(トラベルニュースat 2022年11月10日号)
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