リニューアルとは 従業員への投資も重要
このところ、飲食店でのSNSによるいたずら被害、老舗旅館でのレジオネラ菌問題など公共の場で、さまざまなニュースが出ていますね。働く現場側、お越しいただくお客様側、双方の協力があってこそ憩いの場なのですが、それぞれの適切な対応ができていなければ問題が起こってきます。
現在、私の旅館でもリニューアルオープンに向けて大詰めを迎えているのですが、これもまた「働く現場側」とお越しいただく「お客様」双方の立場で物事を見ていかなければなりません。
普段現場に来ないオーナーだけの意見で動いていては、ネットや雑誌で見ただけの理想を形にしてしまいがちです。
実際現場では毎日いろいろな問題が起こり、それに合わせて従業員が対応しています。初めに対処していれば防ぐことのできる事案も多々あります。何よりも現場を知っている従業員に聞いてこそ、良いものができるのだなと感じます。
また「リニューアル」というと、建物への投資と捉えてしまいますが、人への投資も重要です。従業員は勤続年数も違えば、スキルの差もあるでしょう。性格もバラバラですが、従業員一人ひとりを育て上げることはその部署のトップの務めですし、その現場のトップ、支配人やマネージャーの務めなのです。
人手不足が続く中、猫の手も借りたい現場も多いでしょう。人を減らす選択は難しいと思いますが、その人のスキルを見極め、それに値する部署を与えていくのも必要です。
また、現場を円滑に進めようと努力する者には、それに見合った対価を支払っていくことも必要です。仕事のやりがいは必要ですが、もちろんお給料あってのことです…
(大田忠道=料理人集団「天地の会」代表)
(トラベルニュースat 2023年3月10日号)
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