閑散期対策 お客様に伝わる“ひと手間”
観光シーズンが到来し、週末は観光客で活気づく場が増えてまいりました。公共の場にも気負いなくお出かけになる方々が増えたのではないでしょうか。ツツジのころ、紫陽花のころと、朝から各所で渋滞も多く、観光需要が増えるのは喜ばしいことと思っております。
ただ、目に見える人数のわりに、旅館ホテルの宿泊人数はなかなか伸び悩んでいるようです。宿泊するまではないが、日帰りで動ける範囲で観光を楽しむ方が多いのでしょう。私の旅館でも、5月と6月には日帰りのお食事プランのご予約を多数いただきました。もちろんありがたいことですが、売上を上げるためにはより宿泊数を増やしていきたいところです。
例年、ゴールデンウィーク明けから夏手前までは閑散期とも言われますが、この時期に「いつもより少しお得な宿泊プラン」をどれだけ魅力的なものとして打ち出せるかが重要ですね。料金を安くすることは簡単ですが、今はそれだけではお客様は魅力を感じてくれません。
よく試していたのは「お土産付き」ですが、何より喜ばれているのはその日の昼食で召し上がっていただけるようなお弁当です。旅行の後というのはやっぱり少し疲労もあり、ご飯を考えるのも億劫になることが多いものですが、大きな荷物にはならない美味しいものをぎゅっと詰めたお弁当はとても喜ばれていました。家に帰ってからも滞在中の時のことを思い出していただけ、印象に残りやすいものになると思います。
そのほかにも、より長い時間滞在していただけるレイトプランや、お料理の一部をご自身でも試していただける体験プランなど、日帰りではなく「ぜひ泊まりたい」と思っていただけるようなものを作っていきたいですね…
(大田忠道=料理人集団「天地の会」代表)
(トラベルニュースat 2024年7月10日号)
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