お客様への対応 現場と上層部のギャップ
有馬温泉では「推しの子×有馬温泉」コラボキャンペーンでたくさんの反響があり、賑わった秋となりました。秋深い今は紅葉を楽しまれる観光のお客様でさらに賑わっており、ありがたいことです。
各地を回らさせていただく中でよく耳にすることの一つに「現場と上層部の認識の違い」があります。
ある旅館でも、一組のお客様への対応をめぐり現場と上層部の間では大きく意見の食い違いが出ておりました。
予約の段階から連絡のやり取りが多く、フロントスタッフの言葉でお客様よりクレームを受けました。それからはほかのフロントスタッフがより丁寧な対応を心がけ、お越しいただいた際にはお客様もにこやかにお越しいただくことができました。ただ、当日の夕食の際には給仕スタッフの配膳の仕方・料理説明・対話の仕方などで大きなクレームを受けたのです。
夕食後と次の日にもお客様からフロントスタッフへいろいろとお話があり、対応したフロントスタッフは誠心誠意努めたのですが、支配人に報告すると「どこに行っても何か文句を言いたいだけのお客様なのだろう」「お酒を飲んで酔っ払っただけ」と、お客様の意見に寄り添う気持ちも、クレームを受けたことによる現場の改善をする気持ちもなかったとのことです。
一生懸命に旅館のために対応してきたフロントスタッフのやる気もそぎ落とし、明らかに改善すべきことにも目をつむり放置してやり過ごすことで、その旅館の成長も止めてしまい、何も得られるものがありません。
目の前の売上だけを気にしているようでは…
(大田忠道=料理人集団「天地の会」代表)
(トラベルニュースat 2024年11月10日号)
- 五感で愉しむために 会話で満足度をあげる(25/03/13)
- 強みをつくる 現場で客の生の声を聴く(25/02/13)
- 働き方改革 意欲湧く労働環境を(24/12/12)
- 働くということ 働く側、雇う側で異なる視点(24/10/16)
- 携帯電話の功罪 対人関係育成のために(24/09/12)
- 閑散期対策 お客様に伝わる“ひと手間”(24/07/16)
- 効率化 従業員と対話する時間を(24/06/14)