強みを生かす 業務命令から理解へ
冬から春に向けて、全国各地で食中毒・ノロウイルスが流行りました。食の現場では衛生面での徹底は当然のことですが、こういう時、実際はしっかりと管理できていなかったことが浮き彫りになっているところもあり、残念なことです。
現場としても忙しさに追われた一瞬の緩みで営業停止に追い込まれるのはとてつもなく痛手でしょう。誰しも他人事ではありません。これからの時期も食中毒が流行る季節です。改めて現場を見直し、従業員への意識づけもしていきましょう。
忙しさに追われると目の前の業務をこなすことに必死になり、設備管理やサービスの質の落ちてしまうことが多いですね。業務をこなす速さも質も人それぞれに差があります。本来はすべての従業員が同じように同じ業務をこなすことができればよいですが、そうもいきません。ただ、そのままにしていると各々に不満が出てくるのです。
「自分ばかりが動いていて、仕事量の差が大きい」「ゆっくりしていても誰かがやってくれるだろう」「忙しいから、これはしなくてもいいだろう」…これにより、もともと持っていた意欲も変わってしまうのです。
頑張ろうとしている人の気持ちを失くさないように会社ができることもあります。例えば「この資格が取れたら資格手当が出る」「○○ができるようになったら給与が上がる」など、形に残るような分かりやすいものが良いでしょう。従業員を育てていくことは支配人・オーナーの務めです。仕事の命令をするばかりではなく、働くメリットも打ち出していくように心がけましょう…
(大田忠道=料理人集団「天地の会」代表)
(トラベルニュースat 2025年4月10日号)
- 五感で愉しむために 会話で満足度をあげる(25/03/13)
- 強みをつくる 現場で客の生の声を聴く(25/02/13)
- 働き方改革 意欲湧く労働環境を(24/12/12)
- お客様への対応 現場と上層部のギャップ(24/11/18)
- 働くということ 働く側、雇う側で異なる視点(24/10/16)
- 携帯電話の功罪 対人関係育成のために(24/09/12)
- 閑散期対策 お客様に伝わる“ひと手間”(24/07/16)