口コミと新入社員 好奇心や向上心を養おう
飲食業界も移り変わりが大きく、新しい店舗ができては消え、流行りのものもすぐに新しいものへと変わる時代です。利用する私たちもインターネットを頼ってお店を探したり、話題のお店を知ると、まずはインターネットで検索してみることが当たり前になっています。お店を探し、地図を見てそのお店に出向き、最後は口コミを書くという流れの人も多いのではないでしょうか。
飲食店だけではなく、旅館やホテルを探す時にも、まずは口コミを読んでみようと検索してしまいますが、よく目にするのは「写真で見た料理と違った」というコメントです。
ホームページにある写真はプロの写真家が撮っていますから、鮮やかでボリュームもあるように見えますし、より美しい盛り付けになっているでしょう。お店によっては、普段は使用しない食材を使って豪華に見せているところもあるかもしれません。
ただ、実際に来られたお客様の中には「なんだかボリュームが少ない」「○○が出ると思ったのに出ない」「思っていた品数より少ない」という感想をもつこともあります。ホームページに載せる写真だけ高級食材を使用したり数を増やしたりすることは要らぬクレームを招くだけです。現場と責任者の意見をしっかりと合わせた上で掲示していくことが大切です。
「盛り付けが悪い」「彩りが悪い」などの口コミは、現場の料理人がカバーできることでもあるかと思います。日々の仕事を作業のようにこなしていては、盛り付けや彩りも気にすることができませんし、技術の上達もしません。技術者というのは毎日が勉強なのです。
4月に入ってきた新入社員を見ていると、思うことが多々あります。
上司とのコミュニケーションがとても難しいということです。上司は教える立場ですから、日々の仕事の合間を見つけて一つ一つ教えていかなければいけませんが、新入社員はそれを覚えていく力だけでなく…
(大田忠道=料理人集団「天地の会」代表)
(トラベルニュースat 2025年6月10日号)
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