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耐える!ホテル業界 休館相次ぐも新たな商機も

新型コロナウイルスにより観光業界は大打撃を受けている。とりわけ関西のホテル業界はインバウンド需要に対応し、ホテルの開業ラッシュ。ただでさえ、客室稼働率や客室単価の下落傾向が続くなかで、である。

ホテルの客室稼働率を見ると、これまでに聞いたことのない数字が出てくる。ホテル専門の英調査会社STRが公表した国内ホテル約1千軒の3月の稼働率によると、東京は23・5%、大阪は22・8%とのこと。これは世界でも変わらず、全米で約21・6%。なかでもハワイ・オアフ島のホテルは約7%という。厳しい現状が見えてくる。

大手チェーンでは休業をするところも多い。阪急阪神ホテルズは、昨年開業した約1千室の「ホテル阪急レスパイア大阪」、インバウンドを主力にしていた「ホテル阪神アネックス大阪」(254室)など計7軒を5月31日までクローズ。京阪ホールディングスは「ホテル京阪 天満橋」(315室)、「ホテル京阪 京都八条口」(234室)などチェーンホテル21軒のうち大阪府と京都府、東京都の12軒を当面の間、休業する。また4月27日開業予定だった「ホテル京阪 京都駅南」(200室)の開業日を6月1日に延期する。

日本初進出の京都の「エースホテル京都」(213室)も開業を4月16日から5月21日にした。

さて、気になるのがゲストハウスや民泊である。「交流」を売りにしている施設が多く、構造的に密接度が高い。しかもインバウンドを主力に取り込んでいるところが少なくない。

大阪市内で約10カ所の民泊施設を運営するベンチャー「FURUEL(フルエル)」は、日本酒を飲んだり、風呂敷を使った遊びを楽しんだりと、日本文化を体感できるのが特徴。利用客の多くが中国人だったこともあり、客室稼働率は1月に8割あったのが、2月に下落、3月以降、ほぼゼロの状態だという。

同じく大阪市内などで約500室の民泊施設を運営する「グローバルコムズジャパン」も3月以降、予約が滞り、4月は新規予約なし。どこもかしこも厳しい。

驚いたのが、JR西日本とカプセルホテル大手のファーストキャビンの合弁会社、JR西日本ファーストキャビンの解散である…

(井村日登美=ホテルジャーナリスト)

(トラベルニュースat 2020年4月25日号)

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