ゴルフ場を転換しグランピング施設に−コロナ禍でも売上過去最高 GLAMP ELEMENT
ここ数年人気の「グランピング」。新型コロナウイルス感染予防のため「三密」回避ができる宿泊施設として、さらに注目され、高稼働のところが少なくない。
滋賀県米原市の「GLAMP ELEMENT(グランエレメント)」もその一つ。ロータステントやレインドロップテント、ウッドキャビンなど全15の客室棟と、メイン棟やシャワー棟、バーとラウンジを備える別棟などがあり、最大66名を収容する。2017年の開業以来、平均稼働が9割、毎年増収増益で昨年は過去最高の約3億5千万円を売り上げた。
新型コロナウイルスの影響で低迷する観光業界において驚異の業績である。しかも、もともとゴルフ場だったところをリニューアルし、グランピング施設に業種転換した結果、最高益を生み出したというわけ。ちなみにゴルフ場であった時の売上は年間1100万円。実に約32倍になったという嘘のような本当の話。
運営するのは「グリーンパーク山東」の指定管理者である奧伊吹観光(米原市)。同社は近くで関西の人気スキー場「グランスノー奧伊吹」も運営し、こちらも年間売上約14億円と過去最高を記録している。ここ10年間で約30億円を投じ、施設や設備を整備。宿泊施設を取りやめて、日帰りスキー場に特化し「グランエレメント」と連携。冬場のシーズンはスキー場、それ以外はグランピング施設で働くことで、従業員の安定雇用も実現している。
それにしても見事な転換である。伊吹山を望む自然に囲まれたゴルフ場跡地は芝生がそのまま敷かれ、池がある。フロントやカフェラウンジがあるメイン棟は、ゴルフ場時代のクラブハウスを活用。そこを起点にして、ゴルフコースの起伏を上手に生かして全室が池に面するように配置。各棟専用のカヌーが備えられており、自由に水遊びができる。
そして全室、ウッドデッキにガスグリルとテーブルを設置。オープンエアの中、専任のコンシェルジュが料理を調理し、取り分けサービスする。料理は、アウトドア料理の専門家のプロデュースにより、ストウブという鍋を使用したメニューを中心に、パエリアや黒毛和牛の串焼きなどを組み込んでコース仕立てで提供する。ボリュームのある夕食に対して、朝食は「身体に優しい料理」をテーマに地元の食材をふんだんに用いた内容となっている。もちろん洋食も用意。こちらは「パンに合う味噌汁」が特徴だ…
(井村日登美=ホテルジャーナリスト)
(トラベルニュースat 2021年6月25日号)
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