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ドックフレンドリー宿 子どもの数よりペットが多い今、愛犬と一緒に泊まる

少子高齢化が進む一方、犬や猫を飼育する人が増えている。2023年度のペットフード協会の調査によれば、犬猫の飼育頭数合計は1591万頭。これに対し15歳未満の子どもの数が1435万人と、子どもの数よりはペットの数が多い。今さらでもないが、ペットは家族の一員なのだ。

というわけで旅館ホテル業界もペットをなくして繁盛しない状況になってきた。大げさな表現だがペットと同宿できる宿(客室)は高単価でほぼ言い値で売れるらしい。

ここで念を押しておくと、ペット同伴の宿は2タイプあり、1つがペットと同室で同宿できる。もう1つがペットホテルを併設し、飼い主とは別の部屋で寝る。いうまでもなく人気はペットと一緒に寝る、である。

同室に同宿する場合、1人あたり1泊2食付きで3万円前後から、が相場といえよう。

ペットフレンドリーの宿泊施設の先駆者的な存在の「暖灯館きくのや」(滋賀県おごと温泉)は、露天風呂付き客室5室とわんちゃん用温泉風呂付き客室3室の計8室を整備。食事は部屋出しでペットと一緒にいたい、という飼い主の想いをくみ取った。来館記念にプレゼントするわんちゃん用オリジナルバンダナが好評。チェックイン後、さっそく首に巻いて記念撮影だ。それがまた可愛い。飼い主の心をわしづかみである。

ニューアワジグループの「湯山荘 阿讃琴南」(香川県まんのう町)は、ウッドデッキテラス付きの「里山ヒュッテ」の4室が愛犬と同宿できる。独立型なので隣に気を遣うことなく利用でき、ウッドデッキでは緑多い自然を背景に愛犬を撮影し、インスタ映えするとして評判のスポットになっている。

都市のラグジュアリ―ホテルもペットフレンドリールームを備える。大阪市の中心部にあるラグジュアリー・ライフスタイルホテル「Wホテル」(中央区)は愛犬と同宿できる客室を備え、宿泊プランもある。さらにわんちゃん同伴で結婚式や披露パーティも可能だ。

ペット同伴で宿泊できる客室や客室棟を整備する傾向は顕著で、年々グレードアップ。ペット用の露天風呂やプラベートドックランの整備、ペット関係のアメニティに続き、ペット用の食事メニューも充実。コース仕立てのメニューもあれば、アラカルトからチョイスできるのもある。

そしてついに登場したのが飼い主と愛犬が〝一緒に食べられるパン〟である。東京のラグジュアリーホテルで導入するところが増えており、密かな人気となっている…

(井村日登美=ホテルジャーナリスト)

(トラベルニュースat 2024年11月25日号)

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