急成長する中国のクルーズマーケット
昨年10月、再開した本コラムの第1回目に「中国から大挙押し寄せる大型クルーズ客船」として「中国のクルーズが急成長して、そのクルーズ人口が200万人を超えた」と紹介しました。
この6月に、長崎県のクルーズ需要予測調査にアドバイザーとして同道する機会に恵まれて、上海のクルーズ研究所と欧米のクルーズ各社の中国支店を訪れ、クルーズの現状および将来予測についてヒアリングする機会に恵まれました。
まず驚いたのが、昨年の中国のクルーズ人口が477万人に達したということでした。500万人目前の数値で、もうすぐ欧州マーケットを追い越しそうな勢いです。ただ、数年続いた40%台の高成長率は減速して29%にまで落ちたとのこと。さらに今年もその減速状態が続くとの予想でした。
このクルーズマーケットの成長の減速は、欧米各社の巨大船が中国市場に次々に投入されたことから、中国内でクルーズを販売する旅行代理店での販売能力ぎりぎりに達して混乱したことにあり、需要は底堅いにもかかわらず調整期間になってしまったためで、すぐに需給がバランスして、将来的には10―15%の安定的な成長に落ち着くのと見立てでした…
(池田良穂=大阪経済法科大学客員教授)
(トラベルニュースat 2018年7月10日号)
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