クイーンメリー2に乗る-老舗ブランドの重厚さに圧倒
2月に名門キュナードのフラッグシップ「クイーンメリー2」に初乗船しました。
キュナード社は英国の老舗客船会社で、かつては大西洋横断定期航路に「クイーンメリー」や「クイーンエリザベス」などの大型豪華客船を配船していました。しかし1960年代末には定期客船の時代は終わり、長距離の旅客輸送は航空機に役割を譲り、最後の大型定期客船として建造された「クイーンエリザベス2」(以下QE2)は建造中にクルーズ仕様に変更されて完成しました。
定期客船会社にとって、クルーズは容易な事業ではありませんでした。現代のクルーズの世界では、定期客船時代の一等客のための伝統的船旅のスタイルは広くは受け入れられなかったのです。こうして定期客船会社のクルーズ進出はほとんどが失敗して、キュナードもその例外ではありませんでした。経営危機に陥ったキュナードは、QE2を日本にチャーターに出し、横浜港や大阪港に長期間停泊させてホテルとレストランとして営業をしたりして、糊口を凌いでいました。
このような同社に救いの手を差し伸べたのが、現代クルーズの雄として君臨するカーニバルでした。同社を傘下に収めたカーニバルは、自社のカジュアルブランドとは切り離して、老舗キュナードブランドを大事にし、イギリス王室との関係も最優先する戦略をとりました…
(池田良穂=大阪経済法科大学客員教授)
(トラベルニュースat 2019年6月10日号)
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