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クルーズの経済効果が実証

一度に数千人の観光客を運んでくる大型のクルーズ客船の経済効果はたいへん大きく、日本各地の地方自治体がクルーズ客船の寄港誘致に力を入れています。

今年も観光庁の「訪日外国人の消費動向の年次報告書」が7月に発行され、その中に訪日クルーズ客の消費額の調査結果が示されています。

調査は、博多港、長崎港、那覇港で行われ、調査員が上陸した客から聴き取ってまとめたものです。本コラムの11回目には、この調査の最初の四半期の速報値を紹介しましたが、この調査報告は2018年度全体の統計結果です。それによると、クルーズ客の1人あたりの消費額は4万4227円で、飛行機などで訪日する観光客の1泊あたりの消費額2万5937円の1・7倍になっています。

使用された調査票を注意深く点検してみると、船上で販売されているオプショナルツアーの費用が含まれていません。オプショナルツアーの費用が平均8千円として、乗客の50%が参加すると仮定してみると、その消費額は4千円余り。船側の販売手数料(30%程度)以外は寄港地のバス費用や観光地の入場料などとして国内に落とされることになるので、クルーズ客の消費額は3千円程度増えて、4万8千円近くになります。6−8時間程度滞在の日帰り客なので結構な額と言えるでしょう…

(池田良穂=大阪経済法科大学客員教授)

(トラベルニュースat 2019年9月10日号)

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