クルーズ再開の動き
Go Toトラベルが始まって、最初の1カ月で420万人余りが宿泊に利用したとの報道がありました。新型コロナ禍でほとんど観光客が消えた観光地にとっては、潤いの雨として大きな救いになったのではないでしょうか。私も8月に函館と京都に出かけて4泊使わせてもらいましたが、家族旅行だったので全部で20人泊となり、多少の貢献ができたのではないかと思っています。これからも取材旅行も兼ねて、せっせと活用させていただくことにしたいと思っています。
さて、本題のクルーズの方でも再開の動きが活発になっています。世界中のクルーズが一斉に止まってしまってから約半年。クルーズ人口約3千万人の半分の需要が蒸発してしまったことになります。日本のクルーズ人口は32万人ですので、その半分の16万人となります。その間、建造費が300億−1千億円もする船に、300−2千人の乗組員を乗せたまま、多くの船は洋上での待機を強いられました。
最大手と呼ばれる米国拠点の3つのクルーズ会社は、当初、10カ月は大丈夫との声明を出していましたが、そのタイムリミットが次第に近づいてきています。しかも、ここ10年ほど、世界的なクルーズブームの中で100隻を超える新造船が発注されており、それがどんどん完成してきています。まさに、なんとしても早急に収入を得なければならない状況に追い込まれています…
(池田良穂=大阪経済法科大学客員教授)
(トラベルニュースat 2020年9月10日号)
- 急増する小型豪華客船(24/11/15)
- 日本一周クルーズと地方活性化(24/10/15)
- アイランドホッピング 東京―伊豆諸島―下田(24/09/11)
- アラスカクルーズ 観光公害を防ぐ人数制限の協定(24/07/12)
- 津軽海峡クルーズ(24/06/13)
- 寄港地潤すクルーズの経済効果(24/05/14)
- 現代クルーズ発祥地は今(24/04/15)