与論島ワンデイクルーズ やんばる遠望し美ら海を航行
縄が本土復帰する前、鹿児島県最南端の離島である与論島は若者にとって憧れの島で、1970年代の離島ブーム時には年間20万人もの観光客が訪れたといいます。その後、観光客数は漸減して平成24年の5万人がボトムとなり、その後増加に転じて今は7万人にまで回復しています。
先月、鹿児島と沖縄を結ぶ航路に、マリックスラインの新造船「クイーンコーラル・クロス」が就航する機会に与論島に出かけることにしました。与論島に行くための交通機関には、この鹿児島から奄美諸島を経由して沖縄本島まで行く大型カーフェリーの便と、鹿児島、奄美大島、沖縄からの飛行機便があります。令和元年の統計によると、観光客の約4万人が航空機、残りの3万人がフェリーで来島しています。
与論島は、沖縄北端の辺戸岬から23キロメートルしか離れておらず、沖縄発のフェリー便を使うと日帰り旅行も可能です。そこで、朝7時に那覇港を出港する船に乗って与論島に向かいました。
船内には、横になれるカーペット敷きのスペースのほか、ロビーやインサイドプロムナードの椅子席、営業時間以外にはレストランスペースも開放されており、美しい沖縄の海を眺めながらの船旅を楽しむことができました。途中、沖縄本島の中部にある本部港に寄港。この周辺には、美ら海(ちゅらうみ)水族館、瀬底島、水納島(みんなじま)、伊江島などの観光地もあります。港で荷物と人を積むと、船はすぐに出港しました。右手には沖縄本島の山原(やんばる)の森、左手には伊江島、伊是名島、伊平屋島が次々と現れます。沖縄本島の最北端の辺戸岬を過ぎると、正面に与論島の島影が見えました…
(池田良穂=大阪経済法科大学客員教授)
(トラベルニュースat 2021年12月10日号)
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