新造フェリーが続々 エコな船でクルーズ化進む
大型カーフェリーの新造船が続々と登場しています。2月の本コラムでは名門カーフェリーの「フェリーきょうと」を紹介しましたが、3月末にはその姉妹船「フェリーふくおか」が大阪南港―新門司間に就航しました。全長は195メートルで、瀬戸内マックスと呼ばれる瀬戸内海で夜間航海ができるぎりぎりの長さの大型船です。
船は大型化するほどエネルギー効率がよくなりますので、トラックを陸送するのに比べるとCO2の排出量が80%以上削減できますし、乗客は軽いので何人積んでも船の燃料消費はほとんど増えません。すなわち、旅客1人あたりの輸送によるCO2排出はほとんどないと考えられるので、究極のゼロエミッションの人の輸送機関とも言えます。
4月からは宮崎カーフェリーの神戸―宮崎の間にも、新しい大型のカーフェリーが登場します。船名は「フェリーたかちほ」で、4月15日に就航します。こちらは約25年ぶりの代替で、総トン数は1万1900トンから1万4200トンに、全長は170メートルから195メートルに大型化します。連日のように「新船登場」のテレビコマーシャルも流れており期待が高まります。同型姉妹船の「フェリーろっこう」も因島の内海造船で進水しており、今年秋には就航予定で、新造姉妹船でのデイリーサービスが行われます。
さらに、神戸と小豆島・高松を結ぶジャンボフェリーも新造船を建造中で、5月28日に内海造船の瀬戸田工場で進水式を迎えます。この式典には阪急交通社が観覧ツアーを実施し、なかなか見られない大型船の進水式を間近に見ることができます。この新造第1船は9月に就航の予定。こちらは同航路の32年ぶりの新造船ですのでさらに期待が高まります…
(池田良穂=大阪府立大学名誉教授・客員教授)
(トラベルニュースat 2022年4月10日号)
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