フィヨルドクルーズの魅力
イギリスまで飛行機で飛んで、ロンドンの外港であるサウサンプトンからノルウェー・フィヨルドを訪れる1週間のクルーズに乗船しました。
船はロイヤル・カリビアンの17万総トン級の「アンセム・オブ・ザ・シーズ」です。1室2人使用での定員では4180人ですが、最大4905人の乗客が乗れます。乗船したクルーズでは、4600名余りが乗っており、いわゆる消席率では110%あまりとなります。北米のカジュアルクルーズ客船では、損益分岐点が80%程度と言われますので、売り上げの30%近くが利益となる勘定です。
このクルーズへの乗船を決めたのは半年ほど前ですが、その時点で残っているアウトサイドの客室は少なく、値段も高かったので、インサイドの窓のない部屋を予約しました。
この船のインサイドキャビンには部屋の壁にバーチャルの窓があり、カーテンを開けると船尾から写した外のビデオ映像がつねに流されていました。この大きな画面にはシャープの文字がありました。日本メーカーがクルーズの世界でも頑張っているのを知って誇らしく思いました。それにしても条件の悪い内側の部屋でも、安くするだけでなく、つねに快適性の向上に努める企業努力には頭がさがります。
ちなみに利用した部屋のクルーズ料金は、1泊当たり1人約2万8千円です。この料金には、イギリスからの移動費、7泊分の宿泊費、全食+間食、アルコール以外の飲料、ショーなどのエンターテイメント、船上のスポーツやジム、プールなどの使用料が入っている込々の料金で、クルーズの世界ではオール・インクルーシブと呼ばれています…
(池田良穂=大阪府立大学名誉教授・客員教授)
(トラベルニュースat 2023年7月10日号)
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