「沿線の経済効果」は見えているか
前回は連載中であるDMO(Destination Management Organization)人材の解説ではなく、関西にある某有名鉄道会社の地域振興策と沿線自治体の総合戦略のズレを取り上げたところ、「もっと詳しく解説してほしい!」というリクエストをたくさんいただきました。今回も引き続き某有名鉄道会社が事業戦略として取り組む沿線活性化について考察したいと思います。
実際、ほとんどの鉄道会社は経営理念や経営戦略の中で例外なく沿線地域の活性化について取り組む姿勢を打ち出しています。ただし、企業と沿線地域(=沿線自治体)が目指すべき方向性や経済活性化に対する考え方に違いがあるならば、それは地域全体の総合的な活性化には成りえません。
企業が沿線自治体と歩調を合わせ、独り善がりな地域活性化にならないようするためには、沿線自治体が策定した「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を把握することが重要です。今後の沿線地域の総合的な発展のためには、企業が独自で取り組みを進めるだけでなく、これまで以上に地域社会とともに歩む努力が求められています…
(山田桂一郎=まちづくり観光研究所主席研究員)
(トラベルニュースat 2017年8月25日号)
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