国内低迷、浮上のカギは「働き方改革」
時折「『観光』は成長産業」という言葉に語弊を感じる時があります。
急成長し、旅行消費額が4兆円に達したインバウンドが文脈に含まれているならその通りですが、国内観光に至っては、最近10年間で旅行消費額にして7兆円、3割近くの消費が消えています。ここだけ切り取れば「『観光』は衰退産業」と言われても過言ではありません。
同じ時期に、旅館業も3割近くが廃業しています。すなわち、今残っている旅館は、消えていった旅館の需要を喰いながら、縮小する国内市場に成長する訪日市場を加えつつ、なんとかイーブンを保ってきているのです。インバウンドがなければ、どうなっていたことでしょうか。
国内旅行消費が消えた主要因は「旅行実施率の低下」です。リクルート宿泊旅行調査によると、10年前には66%あった実施率がいまや55%。2割も減少しています。そして、この数値は、見事に「実質賃金指数」と相関します…
(井門隆夫=井門観光研究所代表取締役)
(トラベルニュースat 2018年2月25日号)
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