高齢者リードするニッポン 幸福度も生産性も低いまま
国連の関連団体から毎年発表される「世界幸福度ランキング」。寿命やGDPに比して総じて幸福度の低い日本。今年はついに過去最低の58位になったそうです。
特に低い要素は「人生上の選択の自由」と「寛容さ」。自由が利かず、寛容ではない社会が透けてみえます。
国内でも神戸大学などが2万人調査を行った結果、年収や学歴ではなく「自己決定」が幸福度に大きな影響を与えていることがわかりました。
幸福度ランキング上位のノルウェーと日本の比較調査では、労働生産性もノルウェーのほうが高い結果になっているのですが、残業時間は日本とさほど変わらず、休日出勤に関してはノルウェーのほうが多いのです。それなのになぜ日本は幸福度も労働生産性も低いのでしょう。
圧倒的に違うのは「仕事の自由度」。ノルウェーに比べて日本は「手順が決まった仕事をする」が3倍多く、「自己判断で進めていく業務」が逆に3倍少ないのです。
そう、日本はサービス経済化が進んでも、いまだに工場労働のような仕事のしかたを貫いているがために、幸福度も生産性も低いのです…
(井門隆夫=井門観光研究所代表取締役)
(トラベルニュースat 2019年5月25日号)
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