弱者こその「矜持」を持つ 20年間のご愛読に感謝
中小企業は生産性が低いから要らないと仰る方もいます。そうした中小企業を一掃するのは簡単です。経済危機が到来すれば立ちどころもありません。資本が小さいほど、自己資本の割に債務が多く、債務超過になりますので。自己破産がその解決手法になってしまいます。
生産性は確かに上昇し続けていますが、打って変わって世界の労働者賃金は70年代から停滞を続けています。その利益はどこへいったかといえば、資本家、そのまた資本家の元へと流れていくのはご存じのとおりです。
そもそもは、1971年8月15日にニクソン・米大統領が海外保有のドルの金兌換停止を宣言した日から始まりました。以後、実物貨幣は信用貨幣となり、無限に発行できる米国債で核をはじめとする戦費が調達され続け、その傘の下にいる国々は返してもらえるのかわからない米国債を買わされ続けています。
私たち国民は、免疫力さえあれば治癒することに耳を塞ぎ、海外でワクチンが開発されるまで自粛を続けるのでしょうか。そのワクチンは本当に効くのでしょうか。
そういう話題を出すと、陰謀論者というレッテルを貼られてしまうので誰も言い出さないのですが。現在の資本主義の仕組みでは、労働者や中小企業、そして日本といった弱者が救われることはあり得ないという覚悟をもって生きることが必要なのかもしれません…
(井門隆夫=井門観光研究所代表取締役)
(トラベルニュースat 2020年3月25日号)
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