歩いて楽しい温泉街 新潟県月岡温泉/白玉の湯泉慶・穴澤恵子さん
青森県の杉澤知恵さんよりバトンを受け継ぎました新潟県月岡温泉の白玉の湯泉慶・華鳳の穴澤恵子です。
月岡温泉は、新潟市に近い地理的優位性や交通の利便性から「新潟の奥座敷」として脚光を浴び、新潟最大の温泉地として繁栄してきました。好景気の中、当館でも施設の増改築が進み、1967年に祖母が8室で創業した旅館は、今ではグループ3館で230室を超えるまで大型化しました。
入社当時は毎日が忙しく、いかに施設内で飲食や買い物をしてもらえるかが重要とされる時代でした。その後、旅行ニーズの変化や団体客の減少に対応できず、全盛期に30軒以上あった旅館は半数以下にまで減少。廃業した商店や旅館が温泉街の景観を著しく阻害し、これからの時代を担う世代として取り組むべき課題として考え始めました。
月岡温泉では、2014年の開湯百年を契機に、観光協会を中心に温泉街の魅力づくりを推進する動きが活発化しました。同年4月に地区の若手経営者で合同会社ミライズを設立し、私も代表としてメンバーに入りました。温泉街自体の魅力を向上させることこそが、賑わいを取り戻す手段と考え、空き店舗や空き家の再生をスタートさせました。わずか7年で新潟の食をテーマにした7店舗を再生オープン。景観整備事業と連動し、月岡の温泉街は見ちがえるほどの賑わいを取り戻し、ミライズの運営する店舗だけでも、年間約16万人の回遊を生み出しています…
(JKK=全旅連女性経営者の会リレーコラム)
(トラベルニュースat 2020年11月25日号)
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