お客様への癒しを追求 福岡県脇田温泉/湯めぐりの宿楠水閣・安永さとみさん
京都府・八千代旅館の中西裕子さんよりバトンをいただきました、福岡県・湯めぐりの宿楠水閣女将、安永さとみです。
脇田温泉は福岡中心部より車で40分、北九州より50分の奥座敷にあります。かつて日本の近代化を支えた筑豊炭鉱の一角を担った町。宵越しの金を持たない―気風の川筋者と呼ばれた鉱夫が夜な夜な町に繰り出した、華やかな時代に楠水閣は創業しました。
昭和33年の創業時代は四畳半10室。トイレも風呂もなかった当館は増改築を重ねました。創業4年後には別館を設け、大浴場、宴会場、会議室、スナックなどの施設も次々と設置、昭和47年には新館も建てました。バブル期には、福岡では珍しかった男女合わせて10種類の露天風呂、貸し切りの家族風呂など設置しました。平成24年の全館リニューアルでは、館内を畳敷きにして段差をなくすなど、バリアフリー化も実現しました。
もちろん順風満帆な経営ではありませんでした。地元の貝島炭鉱が昭和51年に全面閉山したのをはじめオイルショック、バブル崩壊や東日本大震災、豪雨などの影響で売り上げが大きく落ち込んだこともあります。最近では、新型コロナウイルスにより休業を余儀なくされました。
それでも経営を続けられたのはお客様に対する経営者や社員の心構えが大きいと思います。徳治経営を目指しながら、社員と一緒に歩むお客様にとって旅行はハレの日。毎日がお正月だと思って接する―この言葉を胸にお客様の心と身体に癒しを届ける旅館でありたい。そのために、経営者と社員の信頼関係が必要です。私は徳治経営を目指しながら、スタッフと一緒に歩んでいます…
(JKK=全旅連女性経営者の会リレーコラム)
(トラベルニュースat 2023年6月25日号)
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