「1000人の金田一耕助」 豪雨災害を乗りこえて名探偵イベントを無事に実施
用事と重なって参加できなかったが、今年も実施されて、本当に良かったと安堵したイベントがある。
2018年11月24日、岡山県真備町で開催された「1000人の金田一耕助」だ。
これは全国の金田一耕助ファンが、思い思いの金田一に扮装して、名探偵ゆかりの真備町をコスプレ・ウォークするというものだ。結構手間のかかった催し物だが、今年は開催が危ぶまれていた。
それは7月に岡山を襲った豪雨で、真備町一帯が水没したからだ。
真備町は、金田一を作り上げた横溝正史が戦争中、疎開していたところ。その疎開先の寓居がずーっと残っていて、正史の記念館として観光資産化されていた。正史はこの地で終戦の詔勅を聞き、戦中、弾圧されていた探偵小説の復活を予感し、すぐに金田一耕助登場の第一作『本陣殺人事件』の執筆を開始したのだ。だから、ここが金田一ファンにとっての聖地。ということで10年前から様々なイベントが計画されてきたのである。『本陣』の発端は謎の男がK駅を降りるところから。これがJR伯備線清音のこと。コスプレ行進はここからスタートし、正史宅を目指す…
(松坂健=跡見学園女子大学観光コミュニティ学部教授)
(トラベルニュースat 2019年1月1日新年号)
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