「ハリウッド・フェスティバル・オーケストラ」 アーティストと名乗る歌手がすべてをぶち壊し
同じ愚痴を何度も言うのはどうかと思うけれど、コンサートやリサイタルでの演目は、つくづく観客が「聴きたい」ものを中心にして、演者が「聴かせたい」ものは控えめにしてほしいものだ。
お正月、景気づけに横浜まで出かけて「ハリウッド・フェスティバル・オーケストラ」を聴きに行った。
映画音楽は僕の生涯にわたる好物だ。楽曲が流れ始めると、映画の場面だけでなく、その時の映画館の佇まい、時刻や天気まで時に思い出せることがある。まさに、いちばん安上がりのタイムマシンが映画音楽ということだ。
このコンサートはチケット発売の時の宣伝チラシにある程度の演目リストが載っていたので、主に1950年代、60年代の懐かしい映画を中心に取り上げられているので、まずは間違いなかろうと踏んでいた。一部、スクリーンに映画そのものも映されるし。演奏するオーケストラは、ハリウッドで編成され日本のみならず、世界各国も回っているとかでこれも安心要素。
始まれば『ひまわり』『雨に歌えば』『風とともに去りぬ』などなど、やっぱりフルオーケストラはいいなあ、と思っていた。『ローマの休日』『ティファニーで朝食を』『シャレード』『マイフェアレディ』と続くヘプバーンコーナーは映画の編集もうまくて感涙が出るほどだ…
(松坂健=跡見学園女子大学観光コミュニティ学部教授)
(トラベルニュースat 2019年1月25日号)
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