「この道」 西村京太郎さんがあっけらかんと語る京都祇園の姿
帝国ホテルの京都出店が決まった。
場所は祇園甲部の歌舞練場にある弥栄会館の活用。まず、歌舞練場の耐震構造化の工事に2年かけ、その後大々的にみやこをどりをやって、それからホテル着工だから完成は相当先だが、帝国が祇園というロケーションをバックにどのようなホテルを作り上げるか、興味津々だ。
京都にはふたつの人種が共存している。日本人という人種と京都人という人種の二つが、と言われるほど、むずかしい場所であることは間違いない。来て帰る旅人には優しい顔を見せるが、いったん定住しようとすると、なかなか手強い。
帝国は130年(来年2020年で)の歴史を誇るが、そのプライドだって、千数百年の王城の地という京都の時間の流れの前にはなかなかホテル開発のプロセスにも苦心がいりそうだ。
そんな京都人の難しさを推理作家の眼差しで遠慮なく明かしてくれるのが、今、東京新聞夕刊で連載中のトラベルミステリの巨匠、西村京太郎さんの「この道」と題した自伝回想録。
西村さんは列車ミステリが大成功をおさめ長者番付に乗るようになってから、京都在住の山村美紗さんと知り合い、事実婚的な関係に入り、京都に住まうことになる。
関東の感覚でいると、なんとなく隣人から微妙な嫌がらせを受ける。それをきちんと処理してくれたのが、山村さんだった…
(松坂健=元跡見学園女子大学観光コミュニティ学部教授)
(トラベルニュースat 2019年10月25日号)
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