「シャーロック」 おディーン様のホームズ、うるさ方ファンも納得
エンターテインメントを作り出すための基盤になる作品やコンセプトというものが、この世の中には存在する。
とにかく、ときどきそのコンセプトを応用、変化させ、新趣向にしたりして何度でも蘇ってくる、いわば文化のインフラみたいなものがある。
たとえば、日本でいえば、年末になると盛り上がる忠臣蔵だ。これは竹田出雲の原典を使った歌舞伎公演から、外伝、新しい視点で大石を描くもの、義士に絡んだ女たちに焦点をあてた「女たちの忠臣蔵」まで、様々なバリエーションで僕たちを楽しませてくれる。
最近、そういう文化インフラとして、あらためて強いコンテンツだなあと思うのが、シャーロック・ホームズだ。
この19世紀に誕生した私立探偵の冒険物語は足かけ三世紀になっても、人気が衰えない。今年はフジテレビの月曜夜9時(いわゆる月九)に『シャーロック』が登場し話題を呼んでいる。
ハンサムな“おディーン様”ことディーン・フジオカをホームズ役にして、エグザイルの岩田剛典がワトソン。ふたりの関係にひねりを加えているのだが、脚本にいくつも工夫があって、面白い。
副題にアントールドストーリーとあるのだが、ホームズ物語(ファンは原本を聖典と呼ぶ。聖書並みの扱いだね)には、ホームズが関わったけれど…
(松坂健=元跡見学園女子大学観光コミュニティ学部教授)
(トラベルニュースat 2019年11月25日号)
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