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「リーマン・トリロジー」 アメリカ金融資本主義の興亡を「詩劇」で表現

最近はブロードウェイの芝居でも歌舞伎でも、実際の舞台を映画に撮って、それを後悔するシアターライブというジャンルが生まれている。

たった一回こっきりの演劇に、再現性を与えようという試みだが、本物の演劇体験とは違うものの、台本や演出の素晴らしさ、名優たちの激突ぶりを見られるとなれば、「やっぱ、ライブで見なきゃ」などと気取っているより、足を運ぶほうがいいと気付かされたのが、TOHOシネマズなどで限定公開された『リーマン・トリロジー』だった。

これはもともとイタリアの放送劇用に書きおろされた詩劇というべきもので、2008年に世界を揺るがせたリーマンブラザース社の創業(19世紀中庸)から破たんまでの150年間をリーマン家三代の経営者の告白で綴っていくというものだ。

出てくる俳優はたった3人。それが入れ代わり立ち代わり、リーマン家の当主を演じ、他の2人はその時々の登場人物たちを声色くらいを変えるだけで演じて見せる。

舞台美術は一杯。オフィスに見立てた空間の背後が中西部の町(19世紀)になったり、シカゴになったり、ニューヨークの摩天楼になったりするだけだ。

これで、上演時間実に221分(2度の休憩含む)。

これだけの長さなのに、緊張感が一瞬たりとてゆるむことなく…

(松坂健=元跡見学園女子大学観光コミュニティ学部教授)

(トラベルニュースat 2020年3月25日号)

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