「江戸川乱歩居宅跡記念碑建立除幕式」 乱歩さんをめぐる記念碑合戦が勃発!
日本の探偵小説を創った人が江戸川乱歩さんであることはよく知られているが、その乱歩さんが伊勢の人なのか、名古屋の人なのか、という綱引きがいつの間にか始まっていた。
この10月30日に名古屋市の繁華街、栄の一角、広小路交差点に江戸川乱歩旧居跡記念碑が建立されたのである。
乱歩さんの生誕地は三重県名張市。そこには生家跡の記念碑と数年前に名張駅前に乱歩像もたちあがった。同じ県下の鳥羽には「江戸川乱歩館」なるミュージアム(小規模)もあるし、何度も名張や鳥羽に足を運んでいる僕には、やはり乱歩さんは伊勢の人のイメージが強い。
しかし、実際に乱歩が名張にいたのは2歳までで、彼の記憶には残っていないという。
これは父親の転勤の都合だが、結局、乱歩さんは1897年から1912年の高校卒業まで15年間、名古屋に住んでいた。中学・高校と多感な時代に名古屋に暮らしていたのだから、人格形成には強い影響を与えていたはずだが、あまり名古屋と乱歩さんのことは語られることがなかった。
それがこの数年、乱歩さんを顕彰することで名古屋を盛り上げようという動きが活発化してきたのである。運動の主体を担ったのが、乱歩さんの母校、早稲田大学のOBで構成される名古屋の稲門会のみなさんが中心になって作られた乱歩旧居跡記念碑建立実行委員会だ。これに旧制五中、瑞陵高校のOB会、栄町の商店街振興組合が協力したもの…
(松坂健=元跡見学園女子大学観光コミュニティ学部教授)
(トラベルニュースat 2020年11月25日号)
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