「『週刊文春エンタ!』を読む」 文化を感じない!いまのエンタメ事情
このところ自信喪失というか、このまま観客力を続けてもいいのか、というのは大げさにしても、コロナがきっかけでもないと思うが、エンタテインメントシーンの変ぼうぶりに戸惑っている。
というのも、週刊文春編集部が毎年年末になると刊行するローソン限定発売の「週刊文春エンタ!」を手に取ったからだ。
問題はそのコンテンツ。なんとまあ、僕が知らないことだらけだ。え〜、こんなに話題に乗り遅れては、観客力どころの話じゃないな、と。
だいたい、表1面にアップで載っているお兄さんからして馴染みがない。広瀬アリスのロングインタビューはいいとしても、先年自死された三浦春馬さんの手記(三浦さんについて辛うじて名前くらいは)、それにいまだにシン・エヴァンゲリオン、美少女戦士セーラームーンかよお、って感じ。
そして、韓流の大特集。『利泰院クラス』って何じゃい。J・Y・パークっておじさんもよく分からない。そして、袋綴じで『愛の不時着』研究読本とくる。
本当は『鬼滅の刃』に行きたいところだろうが、おそらく版権がらみで動きが取れなかったのだろうなと思う。
こうしてみると、今のエンタメの柱は、(1)NiziUに代表されるアイドル(2)韓流エンタテインメント(第三次とも四次とも言われる)(3)アニメ(昔のものの現代的再現)ということになるだろうか?
それでもだ、ざっと雑誌の中身を見て感じられたのは、そこに文化に新しいものを加える力が減っているなあ、ということだ…
(松坂健=元跡見学園女子大学観光コミュニティ学部教授)
(トラベルニュースat 2021年1月1日号)
- 「東京オリンピック2020」 選手たちも納得? やはり五輪は傷が多すぎた(21/08/31)
- 夏になると思い出す「1998年夏の甲子園」 あの年の夏は、松坂のものだったなあ(21/07/29)
- 「東京大規模接種センター」 自衛隊のオペレーション能力に感心(21/07/01)
- 「超近間湯治の拠点にぴったりな宿」 大浴場付きドーミーインの行き届いた配慮が素晴らしい!(21/05/31)
- 「創刊101年記念展『永遠に新青年なるもの』」 日本のシティマガジンの元祖―新青年誌400冊を回顧(21/05/06)
- 「DAU.ナターシャ」 度肝抜かれる映画製作手法!ソビエト暗黒史描く(21/03/31)
- 「第55回スーパーボウル」 25歳対43歳、QB対決の結果は?(21/03/03)