観客力一本勝負コラム
「1000人の金田一耕助」 豪雨災害を乗りこえて名探偵イベントを無事に実施
用事と重なって参加できなかったが、今年も実施されて、本当に良かったと安堵したイベントがある。 2018年11月24日、岡山県真備町で開催された「1000人の金田一耕助」だ。 これは全国の金田一耕助ファンが、思い思いの金田一に扮装...
「イグ・ノーベル賞の世界展」 下ネタ炸裂!珍妙さに心が和む
イグ・ノーベル賞をご存知の方も多いだろう。なんとも珍妙な発想で、新発明に挑み、それなりの成果を出す試みだ。 本家ノーベル賞ほど技術や芸術の進歩に貢献しないかもしれないが、ほんの少しだけでも、この味気ない世界に笑いを与えてくれる貴重な存...
「メメント・モリ展」 死を鑑賞する展覧会
折原一(おりはら・いち)さんといえば、ひねった趣向で読者を唸らせる異色の推理作家として、本紙読者のなかにもご愛読の方もおられるだろう。 密室ものが大好きで、どんな犯罪現場も密室にしてしまう黒星警部シリーズ(代表作『七つの棺』)などはチ...
「JTB旅物語・悠久のエジプト」 来てほしいなら行かないと
今回の観客力は久しぶりに体験した海外パッケージ旅行でのこと。 9月2日から9日までの日程でエジプト旅行に行ってきた。やっとカイロ—成田のエジプト航空による直行便が復活し、それを使った旅行商品が再び出回り始めた。まだ週1便で、成田を日曜...
「全国高等学校野球選手権大会」 史上初を目撃して大興奮!
この8月12日という一日ほど我ながら観客力があるなあ、と自画自賛したくなる日はなかった。 この日、夏の甲子園、第4試合に慶応義塾高校が出場するのだった。僕自身は塾高出身ではないが、息子と甥っ子が卒業生でもあり、ミーハー気分が生まれてし...
「かはづ書屋公演『小さき夜』」 小劇団が論争劇で切り取る昭和文豪の世界
「かはづ書屋」という小さな劇団がお気に入りである。 僕は下北沢系の小劇団ムーブメントにはほとんど関心がない。彼らの無目的でただただ自己顕示欲だけが目立つパフォーマンスが苦手なのだ。 そんな中で異色の題材を見つけ、それを論争的な芝...
「カンブリア宮殿」 80歳からの起業を生き生きと描き爽やか
作家、村上龍氏がホストをつとめるテレビ東京の「カンブリア宮殿」の5月17日放映「最高の居心地で“珈琲店戦争”に殴り込み 外食レジェンド80歳の再チャレンジ」は、見ごたえがあった。 東京郊外に今、増えつつある「高倉町珈琲」というカフェチ...
「文学フリマ第26回東京大会」 本の著者と読者が直接対峙する面白さ
もしかしたら、前にも書いたことがある話題かもしれないので、「またも」と話のきっかけを作ってから、始めようと思う。 文学フリマのことである。文学フリマ(通称文フリ)は、2002年から始められた文学系同人誌の展示即売会のこと。 いわ...
「否定と肯定」 ホロコーストに託し英国法廷の複雑さ描く
ちょっと前の映画なので、少し気が引けるのだが、DVDででも追いかけてもらいたいものだから、扱わせていただきたい。 『否定と肯定』というなんともそっけないタイトルの映画だが、ほとんど全編、法廷での論争ドラマだ。 こんな話だ。 ...
「陳浩基さん公開対談」 ミステリの若武者、ミステリを語る
今月はベストセラー作家、陳浩基さんを取り上げよう。お読みになった方も多いかと思うが、香港を舞台にした警察小説『13・67』で、昨年の週刊文春ベストミステリで第1位(翻訳部門)、本格推理大賞でも第1位に輝いたもの。傑作である。 物語の舞...