観客力一本勝負コラム
「平成細雪」 四姉妹の描かれ方は?
今回は谷崎潤一郎の世界を現代に蘇らせるという大胆な試みに挑戦したNHK―BSのドラマ『平成細雪』だ。 戦争の足音が微音から少しうるさく聞こえはじめた昭和10年代の兵庫・芦屋と大阪・船場。そこに生きる旧家蒔岡家の四姉妹のたたずまいを描い...
沢田研二50周年記念LIVE
ジュリーこと沢田研二のことは、何度かこのコラムでも取り上げている。最近では勝新太郎の当たり役、朝吉親分の続編ミュージカルの『大悪名』を扱った。 沢田研二さんは今68歳、もうすぐ69になろうというところで、僕とまったくの同学年だ。昭和4...
ジリオラ・チンクェッティのリサイタル
ジリオラ・チンクエッティといっても、もはや知っているのは還暦をこえた団塊の世代だけということになろうか。 遠く1964年、オリンピックイヤーにイタリアから「夢みる想い」というカンツォーネが日本に届き、大ヒットになった。カンツォーネとい...
「第三の男」で有名な大観覧車
10月初めにウィーンに1週間ほど行ってきた。 趣味のミステリ関係の集まりに出席してきたのだが、何といってもお楽しみは映画「第三の男」のシネマツーリズム。僕にとってのウィーンは永遠に共同墓地(ラストシーン)と地下水道、そして何といっても...
江戸川乱歩原作のお芝居
僕のようにサブカルチャー的演劇もなるべく見に行こうという人を集合Aとする。 また江戸川乱歩の世界をこよなく愛する人が集合B。 それで、二つの集合がダブるAかつBの部分、ここに身を置くものには、やや辛いのがこの1、2年のこと。なに...
ミステリーナイト「人気作家連続失踪事件」
ホテルにチェックインして夕食後、シアター形式になっている大宴会場に集合。そこで殺人がからむドラマを見る。でも、解決編はなし。 観劇後、ホテルのあちらこちらに仕掛けられたヒントボードを探したり、お部屋に隠されている秘密文書を探して、その...
ジャンヌ・モローさんを悼む
この7月31日、フランスの名女優、ジャンヌ・モローさんが亡くなった。とても、モローなんて呼び捨てにできない。僕の青春にぐさりと突き刺さった女優さんだからだ。 彼女の思い出の名画となれば、いささか当たり前にすぎるが、『突然炎のごとく』と...
音楽劇「大悪名」
ジュリー様は不滅。 太って往年のカッコよさは減っているし、憲法9条問題で当局からにらまれて、勲章類などあきらめさせられていても(本人談)、沢田研二の人気は大したものだ。 そんなジュリーがコンサートは別にして、最後のお芝居と銘うっ...