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講釈師、夕陽おじさんと出会う 「テレビです」の“印籠”を無視

12年ほど前の南青時代、某放送局のとある番組の案内役として兵庫県朝来市にある、雲海に浮かぶ竹田城跡を映像に収めようと、寒暖差の激しい11月ごろに7日間の拘束でロケーションを行いました。

当時は駆け出しやったので、右も左も分かりません。そしていよいよ撮影開始ですが、失敗の連続で、お昼ご飯も食べることができずに現場のスタッフの雰囲気は最悪です。特にディレクターの「この講談師使えない」という視線を痛いほど感じながらも、撮影が押し、時間もなくなってしまいます。やがて、この日のロケの最高潮を迎える、竹田城跡から僕が(厚紙ですが)鎧兜を身にまとった戦国武将になりきって夕陽を浴びながら締めのコメントの撮影。

ところが、その竹田城跡で最も夕陽が綺麗に見える場所に一人のおじさんが座っていました。だからディレクターは「すみません。実は○○〇の番組の撮影でして、此処の場所で撮らせていただきたいんです、15分ほど場所を譲っていただきたいのですが」と大抵の者なら「〇〇〇の番組です」と言えば「あぁ、そうなんですか! じゃ移動します!」と、浮足立っていたんでしょう。そしてディレクターも、今までこれで通用して来たんでしょう。

しかし、そのおじさんは−…

(旭堂南龍=講談師)

(トラベルニュースat 2019年9月10日号)

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