旅する講談コラム
講釈師が語る一休さんの五 周建、仏に背を向けて座禅
ある晩の事、周建は像外和尚から、仏前のお灯明を消すように言われました。そこで周建、ぴょんと飛び上がって、口でぷうと吹き消して戻って参りました。 「確かに消してまいりました」「それはご苦労であった。周建どのように消してきたのじゃ」「はい...
講釈師が語る一休さんの四 てい髪し「周建」と名乗る
その安国寺の像外和尚は顎に白いやぎのような髭を生やし「千菊丸と申すのか?」「はい、和尚様」「其方の母君からくれぐれも頼むと言われておるからな、まずは頭を剃ろうかの」シャリシャリと髪を落とします「どうじゃ、髪がなくなった気持ちは」「はい、おつ...
講釈師が語る一休さんの三 母上様に連れられ安国寺へ
千菊丸(のちの一休禅師)が「では、聞かせてやるが、怒るなよ?」「若様の歌を聞いて怒る事がありましょうか?」「本当だな?」「はい」「ならば聞かせてやる、『降る雪が 白粉なれば 手にためて おくろの顔に 塗りたくぞ思う』どうだ!」「まぁ千菊丸様...
講釈師、名僧の幼少期も語る 「降る雪が…」千菊丸うたう
名僧一休禅師の父親は北朝方の後小松天皇。また、母は南朝方の楠正成の血を引く照子、つまり伊予の局。帝から寵愛を受け、いつしか伊予局が身ごもってしまうが妬む者も現れた。 「御存知で?」「一体何を?」「あの伊予の局は、南朝方でありますから、...
講釈師、一休禅師をもの語る 南…と一言、石が飛んでくる
「有漏路より 無漏路へかえる 一休み 雨降らば降れ 風吹かば吹け」 これは一休が『一休』となったきっかけとなる歌です。この意味・解釈は、引き続きトラベルニュースを定期購読していただきましたら其の内に分かります。どうぞよろしくお願いいた...
講釈師、揺れる機内でビビる 「オチ」ないですけど…何か
毎度、本コラムを読んでいただきありがとうございます! 先日、ありがたいことで文化庁主催の「文化芸術によるこども育成総合事業」で屋久島の小学校へ寄せていただきました。つまり、学校出張公演です。 移動は飛行機ですが、機内アナウンスで...
講釈師、心の中でツッコむ 「知る人ぞ知る」のはず…
12年ほど前の南青時代、NHKの旅番組で兵庫県朝来市、雲海の竹田城跡を映像に収めようという仕事でした。担当ディレクターからは「今回案内してくださる地元の方が『竹田城の雲海がばっちり見える上に、知る人ぞ知る場所なので、出発は夜中にします。くれ...
講釈師、夕陽の中で喜ばれる 180度立場が変わるチャンス
12年ほど前の南青時代、某放送局の旅番組で兵庫県朝来市、雲海の竹田城跡を映像に収めようという仕事でした。当時は駆け出しで右も左も分かりません。撮影の開始から失敗の連続で、お昼ご飯も食べることができずに現場スタッフの雰囲気は最悪です。「この講...
講釈師、夕陽おじさんと出会う 「テレビです」の“印籠”を無視
12年ほど前の南青時代、某放送局のとある番組の案内役として兵庫県朝来市にある、雲海に浮かぶ竹田城跡を映像に収めようと、寒暖差の激しい11月ごろに7日間の拘束でロケーションを行いました。 当時は駆け出しやったので、右も左も分かりません。...
講釈師、難攻不落の城を駆ける 竹田城跡でディレクター苛立つ
12年ほど前の南青時代、某放送局のとある番組の案内役として兵庫県朝来市にある雲海に浮かぶ竹田城跡を映像に収めようと、11月に7日間の拘束でロケーションを行いました。当時は駆け出しやったので右も左も分かりません。何が分らないのかが分からない僕...