旅する講談コラム

講釈師が語る一休さんの八 将軍から屏風の虎退治を
自然と周建の才知の噂が立ちましかたら、遂には三代将軍、義満公の耳にまで入りましたので「うん、面白そうなやつじゃ、呼んで参れ」今度は義満の居る、鹿苑寺即ち金閣寺にへ、将軍の前に召し出された、像外和尚はもう、そわそわしております、下手なことをす...

講釈師が語る一休さんの七 橋の箸を渡らず真ん中を歩く
桔梗屋が「うん、あの周建という小坊主は、只者ではない、よし何とかしてぎゃふんと言わしてやろう」。 数日後、桔梗屋が法事にかこつけて、安国寺の像外和尚に「周建をお供に願います」こう伝えたから、像外和尚も周建を連れていく。桔梗屋の屋敷の前...

講釈師が語る一休さんの六 桔梗屋を棒切れでポカポカ
像外和尚の知り合いで、桔梗屋という問屋の旦那が頻繁に和尚と碁を打つ為に暇があってはお寺に来ておりましたから、小坊主たちは「あの桔梗屋の旦那はよく遊びに来て困る」「そうだ!あの人は一度碁を打ち始めると刻を忘れるからな」「おまけにその時は私達も...

講釈師が語る一休さんの五 周建、仏に背を向けて座禅
ある晩の事、周建は像外和尚から、仏前のお灯明を消すように言われました。そこで周建、ぴょんと飛び上がって、口でぷうと吹き消して戻って参りました。 「確かに消してまいりました」「それはご苦労であった。周建どのように消してきたのじゃ」「はい...

講釈師が語る一休さんの四 てい髪し「周建」と名乗る
その安国寺の像外和尚は顎に白いやぎのような髭を生やし「千菊丸と申すのか?」「はい、和尚様」「其方の母君からくれぐれも頼むと言われておるからな、まずは頭を剃ろうかの」シャリシャリと髪を落とします「どうじゃ、髪がなくなった気持ちは」「はい、おつ...

講釈師が語る一休さんの三 母上様に連れられ安国寺へ
千菊丸(のちの一休禅師)が「では、聞かせてやるが、怒るなよ?」「若様の歌を聞いて怒る事がありましょうか?」「本当だな?」「はい」「ならば聞かせてやる、『降る雪が 白粉なれば 手にためて おくろの顔に 塗りたくぞ思う』どうだ!」「まぁ千菊丸様...

講釈師、名僧の幼少期も語る 「降る雪が…」千菊丸うたう
名僧一休禅師の父親は北朝方の後小松天皇。また、母は南朝方の楠正成の血を引く照子、つまり伊予の局。帝から寵愛を受け、いつしか伊予局が身ごもってしまうが妬む者も現れた。 「御存知で?」「一体何を?」「あの伊予の局は、南朝方でありますから、...

講釈師、一休禅師をもの語る 南…と一言、石が飛んでくる
「有漏路より 無漏路へかえる 一休み 雨降らば降れ 風吹かば吹け」 これは一休が『一休』となったきっかけとなる歌です。この意味・解釈は、引き続きトラベルニュースを定期購読していただきましたら其の内に分かります。どうぞよろしくお願いいた...

講釈師、揺れる機内でビビる 「オチ」ないですけど…何か
毎度、本コラムを読んでいただきありがとうございます! 先日、ありがたいことで文化庁主催の「文化芸術によるこども育成総合事業」で屋久島の小学校へ寄せていただきました。つまり、学校出張公演です。 移動は飛行機ですが、機内アナウンスで...

講釈師、心の中でツッコむ 「知る人ぞ知る」のはず…
12年ほど前の南青時代、NHKの旅番組で兵庫県朝来市、雲海の竹田城跡を映像に収めようという仕事でした。担当ディレクターからは「今回案内してくださる地元の方が『竹田城の雲海がばっちり見える上に、知る人ぞ知る場所なので、出発は夜中にします。くれ...