サービス介助士アドバイザー談3
アドバイザー談の3回目は、視覚障害者です。
視覚障害とは、視力と視野に一定以上の障害がある場合をいいます。症状も様々で100人の視覚障害者がいれば100通りの見え方があり、個人差も激しいと言えます。また「先天性盲」「中途失明」という違いもあります。サービス介助士アドバイザーの一人に、視野に異常はないですが「弱視」で「まぶしい所が苦手」というアドバイザーがいます。
日常生活での困りごとに、日々利用する公共交通機関があります。
まず運賃表や券売機の文字サイズに苦慮しています。自分の見え方を基準とすれば、やはり小さいと感じています。見えないことは、自分自身の身体機能の制限ですから、ある程度の困りごとは仕方ないと思っており、自分なりの工夫で克服している毎日、つまり「障害の個人モデル」です。例えば、携帯電話のカメラ機能を使えば文字を拡大して見ることはできますが、離れた所からでは限界があります。別の手段としてインターネットで調べるという工夫もしているものの、かなり自分の目を酷使してしまうことになり、不安があります。公共交通機関は不特定多数の多様な人が利用する場所であるからこそ、多数派を優先する社会の仕組みが、偏りや歪みを生み出し、少数派に困難さを生じさせています…
(喜山光子=公益財団法人日本ケアフィット共育機構)
(トラベルニュースat 2020年11月10日号)
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