「新しい生活様式」が生み出す困りごと2
障害のある人のなかには「新しい生活様式」の必要性が十分に理解できず、自分と周りの人と適切な距離を確保することが難しい方もいます。例えば、知的障害のある方にとってはレジで並ぶ時の立ち位置を把握するのが難しい場合もあります。
人との適切な距離を確保するということが理解しづらい人にとっては、線を引くだけではわかりにくいのですが、靴のマーク表示をすることで分かりやすくなることがあります。
また、マスクを正しく着けることができず、それが周りに理解されにくいことがあります。理由は様々です。マスクを着けることで呼吸がしにくく、苦しくなる方や感覚過敏の人にとってもマスクの着用が難しいといった困りごとがあります。
マスクを着用していないことで感染症対策をしていないと思い込むのではなく、障害の特性が理由である方もいることを知識として正しく持つ必要があります。
ヘルプマークはこのような障害のある方や、義足や人工関節を使用している方、内部障害や難病の方、または妊娠初期の方など、外見からは分からなくても援助や配慮を必要としている方が、まわりの人に配慮を必要としていることを知らせることができるマークです。ヘルプマークを携帯している方を見かけた時、私たちにできることは、まず見守ることではないでしょうか…
(喜山光子=公益財団法人日本ケアフィット共育機構)
(トラベルニュースat 2021年5月10日号)
- サービス介助士25周年~サービス介助士が社会を変える~(24/11/20)
- 大阪・関西万博のテーマを実現するために(24/10/18)
- インクルーシブ防災とは?(24/09/17)
- ケアフィットの認知症オンライサロン(24/07/18)
- 合理的配慮と建設的な対話(24/06/18)
- 「場面緘黙症」をご存じですか?(24/05/17)
- 今年4月、合理的配慮が義務化!(24/03/19)