住まいの中にある社会的障壁
先日、不動産業界の皆様と住まいの中にある障壁について考えてみました。マンションや戸建て住宅の販売を手掛ける方々はどんな想像をしているのでしょうか。
コロナ禍での対面営業では、感染対策の徹底から接遇を考えます。「配慮」とひと言でいっても、勝手な押し付けではお客様は喜んでくださらない。考えることが多岐に渡ることは容易に想像できます。
最近オンライン内覧の需要も盛んになっているようですが、どこを見るでしょうか? 一生のうちに何度も購入できない「住まい」という大きな買い物の中にどれだけの障壁(バリア)が隠れているのかを確認してみました。
(1)玄関前に当たり前にある段差
(2)ドアは開きドアで上がり框(かまち)あり
(3)電気のスイッチ位置はなぜ高い
(4)手すりは片側設置が当たり前?
次々と出てくる意見に参加者同士が驚くほどでした。立場が変わればこんなに不便で危険につながっていたのか…。勝手にバリアフリーの最先端にいると思い込んでいたが誰のための住まいなのかを見落としていたのかもしれない…。お客様の20年後、30年後を描き切れていなかったようだという結論でした。
たった一段の段差でもベビーカー、車いすを使用されている方、杖をついている方にはバリアでした。玄関ドアが引き戸であれば、確かに小さなお子様を抱いていても出入りしやすいなぁ…
(喜山光子=公益財団法人日本ケアフィット共育機構)
(トラベルニュースat 2022年3月10日号)
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