バス事業者とサービス介助士
今年サービス介助士資格取得者数が20万人を達成したことは以前にも報告しましたが、これを機にバス事業者様と意見交換を重ね、延べ15社を超えるところとなりました。路線バス、高速バス、貸切バス、通学バス、観光バスなど多種多様な形態があり、乗車するお客様も当然多様です。安全運行が何より優先される輸送機関において、お客様の特性に合わせた環境の整備は最重要課題です。
例えば、高齢なお客様には、乗降時の見守りが必須です。乗車され、座席に座るまでミラー越しに見守り、一方で降車されるお客様の様子にも目を配り、見守っています。もし既定の場所にバスが停車できなかったときは、路面に段差が生じてしまい、障壁を生むことになります。
車内に一人しかいない中で、接遇から安全管理まで想像以上にハードな空間です。
車いすを利用される方がバス停で待っていたら、次は乗車のお手伝いが必要になります。すべてのバスがノンステップとは限らない状況ですから、スロープ板を引き出し、乗車介助をします。乗車後は、安全のため車いすの固定が必要になります。ここはどちらの事業者様も苦慮されるところのようです。車いす使用者としては、自分が乗車することで、ほかのお客様をお待たせすることを嫌い、「このままでいいです」と遠慮なさる方も多いです…
(喜山光子=公益財団法人日本ケアフィット共育機構)
(トラベルニュースat 2022年7月10日号)
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