合理的配慮とLGBTQ
国会会議場において、性的マイノリティをめぐる議論が活発になっているのを見ながら、いよいよ日本も遅れていた法制化に向けて動き出すのか?と思いきや、G7広島サミットを目前に控えているからだと分かりました。
G7加盟国として唯一性的マイノリティの差別禁止や同性婚などの法制化が実現してない議長国日本は、どのような責任ある発言が飛び出すのか非常に興味あるところです。
社会が大きく変化しようとしている中、「多様性」という言葉だけが独り歩きしているのも気になります。教育現場環境や職場環境においても、まだ目の覚めるような配慮は見当たりません。
例えば教育の現場での配慮について考えてみると、トイレや更衣室など施設の改善は、まだほとんど準備されていないようです。仮に当事者が誰かに相談したいと思っても、教育現場には専門の相談員すら在籍していないことが現状のようです。
2016年に障害者差別解消法が施行されて以降、合理的配慮の提供については、まず本人からの意思表明が必要ですが、ここにもハードルの高い障壁があるようです。それは、障害者手帳等や性別違和、性同一性障害に対する医師の診断書の提示を求めるところが多いようです。
仮に診断書の提示が必要なのだとすれば、ここでの当事者の困難は、当事者が抱える個人の問題だけではなく、社会のしくみにも原因があり「障害の社会モデル」として捉えるべきなのでしょう…
(喜山光子=公益財団法人日本ケアフィット共育機構)
(トラベルニュースat 2023年4月10日号)
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