インクルーシブ防災とは?
台風10号の動きを見ながら「インクルーシブ防災」という言葉を思い出しました。
「障害者や高齢者を含む、あらゆる人を取り残さない防災」という考え方です。このインクルーシブ防災が広まるきっかけとなったのは、過去に宮城県仙台市で開催された国連防災世界会議で、全世界の災害による被害の軽減を目指す、世界の防災指針を策定する国連主催の会議だったようです。
過去の災害でも、障害者や高齢者が取り残されて亡くなるケースが多くあり、SDGsが広まる背景で「誰も取り残さない」やダイバーシティ(多様性)という言葉がいたるところで見られるようになった現代では、災害時でも多様な人を想定する考え方が大切になっています。今回の台風10号は離れた地域にも大きな被害をもたらし、長時間降り続く雨が土砂災害や低い土地の浸水、川の氾濫を起こしています。土砂災害の危険性が非常に高くなり「土砂災害警戒情報」が発表され、日本列島の広範囲では一時的に「緊急安全確保」「氾濫警戒情報」が発令され影響を及ぼしています。
今からでも間に合う、私たちにできることを考えていきましょう。「ハザードマップの確認」は今からできます。周囲の危険箇所をもう一度調べ、川が氾濫した場合の浸水の範囲と深さを確認したら、自宅がどれくらい浸水するおそれがあるのかを今のうちに確認する。避難が必要かどうかまで考えておきます…
(喜山光子=公益財団法人日本ケアフィット共育機構)
(トラベルニュースat 2024年9月10日号)
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