バリアフルレストラン パートⅠ
バリアフルレストランは“障害の社会モデル”を体感できる体験学習プログラムで、日本ケアフィット共育機構が企画実施しています。
障害の社会モデルで伝えている「社会が作り出す障害」が何なのか、を参加者が特殊な装具や装備を必要なしに直感的に理解できるようになっている企画です。従来、福祉教育などではアイマスクをつけた視覚障害者の疑似体験や、車いすに乗る体験などが行われていました。
サービス介助士の実技演習でもアイマスクや車いすに乗る機会はありますが、これらは障害のある人への接遇や介助を習得するためのものであり、単にアイマスクをつけるだけでは、身体障害の“疑似”体験です。
その疑似体験だけでは、社会が作り出す障害への気づきは生まれず、心身機能の制約によるネガティブな部分のみが強調され、障害はあくまで心身機能に障害のある人の問題である、と捉えられる可能性があります。
障害者が経験する様々な困難や不利益、例えば“段差があって移動できない車いす使用者”や“音声情報が聞き取れない聴覚障害者”は、その人の身体障害が原因に思えます。「社会の障害」と言っても、せいぜいその人の身近にある段差や文字情報などをイメージするかもしれません…
(喜山光子=公益財団法人日本ケアフィット共育機構)
(トラベルニュースat 2025年3月10日号)
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