お客様から教わった「おもてなし」
「おもてなし」と言えば、お客様に対して心のこもったサービスを提供することで、「おもてなし」「サービス」「ホスピタリティ」には、どんな違いがあるの? この辺りがつねに議論されるところです。
サービス介助士教習の中でも、まず「ホスピタリティ」を考えるところからスタートします。サービスは、もてなされる側ともてなす側に主従関係があり、スタッフがお客様のために行う本来業務に付加が付くと対価が発生します。しかし「おもてなし」では、もてなされる側ともてなす側が対等であり、対価も発生しません。「おもてなし」は、スタッフ個人の考えや働きかけに任されているところが大きく「対価」の有無ではなく、ご利用いただくお客様に喜んでいただきたい、このひと時を愉しんでいただきたい、ただそのためだけの心遣いなのでしょう。
この思いを行動に移す一番が、こちらからの「お声がけ」です。
声をかけられた印象はいつまでも残ります。「顔を覚えてくれていた」「名前を呼んでくれた」「サプライズ」など知らずしらずに満たされていく欲求が、おもてなしの極意なのかもしれません。
「おもてなし」=「お声がけ」奥ゆかしいと言われる日本人には、自分から「何かお手伝いできることありますか」と声をかけるのが苦手だと言われています。でも手伝ってほしいと思っている人が「手伝ってください」と声を出すことも勇気のいることです…
(喜山光子=公益財団法人日本ケアフィット共育機構)
(トラベルニュースat 2025年6月10日号)
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