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予測力で新時代の夜明けを

新年おめでとうございます。昨年はたいへんな年でした。新年もまだ影響を引きずっていますが、夜明けのこない夜はありません。まもなくやってくる夜明けを心待ちにしていたいと思います。

ただし、新しい時代は、これまでとは違う地殻変動も誘発していくことも予測しておきたいと思います。

例えば、リアル旅行会社同士の合併や買収なども起こるような気がします。あるいは、外資系ホテルの高級旅館業への参入の予感もします。それは2023年ごろ、アウトバウンドやインバウンドがふたたび完全復活した時のための布石となる動きです。その頃は、これまで50年間市場を引っ張ってきた顧客層は引退し、現在の30―40代であるミレニアル世代が新たな市場リーダーになっていると思います。

地域では、これまでの世代をターゲットとしてきた事業者の勇気ある撤退が増えていくことも仕方ありません。様々な給付金やキャンペーンでの補填があったからこそ、余裕のあるうちに事業から撤退したいと考えるのも自然な流れです。

しかしそこで完全に廃業するのか、事業を他社に譲渡し、これまで培ってきた思いや形を継続していくかで大きな違いがあります。一番よくないのが廃墟になることです。どうか地域を挙げてできる限り回避してほしいと願っています。

例えば、旅館業が廃業するとします。その時、法人やその負債を地域内の企業が承継することを目指してほしいと思います…

(井門隆夫=高崎経済大学地域政策学部観光政策学科教授)

(トラベルニュースat 2021年1月1日号)

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