楽しく読めて ときどき役に立つ観光・旅行専門紙「トラベルニュースat」

経済が定常化し観光を再定義

国の補正予算を使った補助金が今年は半端ない金額でアフターコロナに経済を活性化したいという意志が伝わってきます。しかし、補助金名には「再構築」「再生」といった言葉が並びます。このことから過去の延長ではいけないということに気づくことがとても大切です。

アフターコロナは、パンデミックが収束するという意味だけではなく、あらゆる時代がリセットされると考えるほうが妥当です。

短期的には50年間の観光バブルの終えんです。思えば、1970年代に始まった「今の観光」は、金兌換が停止され、信用の上に成り立つ国債発行という借金で造られてきた経済成長の上に繁栄してきました。ちょうど戦後に生まれた人口の多い団塊の世代が社会で活躍する時代と重なり、パックツアーや1泊型国内観光需要で観光を盛り上げてくれました。

本紙も創刊50年、大学に観光学科ができて50年。そろそろバブルだったことを認め、経済が定常化する時代に合わせて「移動を通じて自己実現を支援する」活動が観光だと再定義し、そのための広報紙として、そのための教育研究機関としてこれまでと違う立ち位置になっていくべきだと思います。

中期的には200年間続いた「観光=余暇」の終えんも重なります。小氷期が終わり、石油が発掘され、産業革命が始まり、世界人口が増えて200年。人口増加による経済成長期ももう終わりかけです…

(井門隆夫=高崎経済大学地域政策学部観光政策学科教授)

(トラベルニュースat 2021年3月25日号)

続きをご覧になりたい方は本紙をご購読ください
この記事をシェアする
購読申し込み
今読まれているニュース
地旅
今すぐにでも出たくなる旅 最新
個性全開、輝き増す山陰紀行・島根鳥取西部編

島根県では美肌県を前面に、2023年に高視聴率を記録したテレビドラマ「VIVANT」のロケ...

個性全開、輝き増す山陰紀行・鳥取東部三朝編

「蟹取県」「星取県」に続き、辰年の今年は「とっとリュウ県」―。県の形が龍に見える?ことから...

「光る君へ」稀代の女流作家の足跡求め・滋賀大津

後世に深く濃く語り継がれる名作を描いた女流作家は、混沌とする世の中を、愛を持って駆け抜けた...

トラベルニュース社の出版物
トラベルニュースat

観光・旅行業界の今に迫る面白くてときどき役に立つ専門紙。月2回発行

大阪案内所要覧

旅行業務必携。大阪にある全国の出先案内所収録。19年版発売中!

旅行業者さく引

セールス必携。近畿エリア全登録旅行業者を掲載。22年版発売中!

夕陽と語らいの宿ネットワーク
まちづくり観光研究所
地旅
関西から文化力
トラベルニュースは
文化庁が提唱する
「関西元気文化圏」の
パートナーメディアです。
九観どっとねっと
ページ
トップへ