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ヨコ社会の同調世界の弊害

クラーク、ウェルネス、エナジック…。高校野球の強豪校にカナカナの学校が増えてきました。生徒数日本一の高校は3万人近くが通う、N高校・S高校を経営する角川ドワンゴ学園。すべて広域性通信制高校です。

スポーツやアニメなど追及したい好きなことに集中してできることも特徴ですが、普通高校の学習方法にはなじめない子どもたちも安心して通えることから生徒数は年々増加し、高校生の12人に1人、30万人が通う学校まで成長し、海外の大学や東大・京大にも進学しています。今年の新生児数は70万人を割りそうですので通信制に通うのがあたりまえになる時代も遠くなさそうです。私のクラスにも毎年2名ずつくらいいますが、どの子も頭がよく、しっかりしています。ひと昔前は通信制は不登校の子が通うというイメージがありましたが、むしろ普通高校出身の子のほうが悩みは多そうです。

アフターコロナ、目に見えて若者たちが変わった気がします。ひと言でいえば、タテ社会にはなじまず、ヨコ社会の連帯が強くなったこと。社会人のことを大人と呼び、自分たちの世界を尊重しています。一方、同類化していて多様性を回避する傾向も見え隠れします。そのため、個性的な子どもたちは通信制を選ぶようになってきたのだと思います。

地方でも地域みらい留学と呼ぶ、居住地を離れて寮で暮らし、学校に通う生徒も増えてきましたが、そこでも同調性を求められると苦しんでしまうと思います。いかに個性を尊重できるか、都会の普通高校ではできない地方での新しい教育のあり方が問われていると思います。

大学も同様です…

(井門隆夫=國學院大學観光まちづくり学部教授)

(トラベルニュースat 2024年7月25日号)

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